暗黒の未来で



明日が来ないのは、悪だろうか?

眠れば一度途切れるこの世界には、そこで生きている自分には、間違いなく昨日も今日もそして多分明日もあるというのに。

それでも、明日が来ないのは悪だろうか?

それだけで、この世界を壊すことができるほどの強大な悪なのだろうか?

彼は考える。

自分は正義なのだ、と思う。

きわめて後ろ向きで絶望と無力感が支配する平和なこの世界を守るために戦う、正義なのだと思う。

世界が好きなわけではない。闇を好んでいるわけではない。

青い空に憧れていないわけではない。太陽を望んでいないわけではない。

ただ、生きていたいのだ。

まだ、生きていたいのだ。



それは、生きているということじゃないよ。

少女は言う。

光の無いこの世界で、未来の無いこの世界で、貴方はただ「生かされている」だけ。

私は、生きたいと思う。輝きたいと思う。

だから、この世界を壊す。

悪だと思ってくれて構わない。憎まれたって構わない。

正義だなんて思わない。最善だなんて思っていない。

ただ、生きたいだけ。



明日が来ないのは悪なのだろう。

明日が来ないのは悪ではないのだろう。

どちらも正しくて、どちらも間違っている。

どちらも正しくなくて、どちらも間違っていない。

彼女たちと、自分たちと。

どちらも真面目で、どちらも狂っている。



そうだろう?

未来を拓く代わりに、世界を壊すのだから。


そうだろう?

世界を守る代わりに、未来を閉ざすのだから。



彼はまた考える。

どちらも正しくない、間違っていない。

それでも善悪が必要だというならば、自分が悪になろうか。

間違っているとは思わないし、生きていたいとは思うけれど。



あの時の笑顔が悪でないことは、間違いないと思えたから。


 


おおう、中二だ(黙
これもブログに載せたような気がしますけれどどうなんでしょう。

ヨノワールさんと主人公の話です。
主人公は女の子推奨。

未来世界で何度か戦ったり会話してたりしたらいいなぁと思います。

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